マスジド ヌガラ(Masjid Negara)
観光ガイド
Website: http://www.masjidnegara.gov.my/

マスジドネガラ入場について
・入場料:無料。ただし、見取り図の①のところに募金箱があるので募金可能。
・観光客入場時間:9:00~12:00、15:00~16:00、17:30~18:30(ただし金曜日は午前中の入場は不可))
・礼拝客入場時間:自由。
・写真撮影は、礼拝堂にふさわしい節度ある撮影ならば可能。(礼拝者、女性客にカメラを向けないこと。ふざけたポーズでの撮影は不可。)
・マスジド内では静粛に。
・男性も女性も隠すべき個所を隠さなければ入場できない。ただし、入り口にマントを用意しているので該当者は着用すること。
 男性は、脚を隠すこと。
 女性は、美しい個所を覆うこと。髪と腕と脚と足。
・行ける場所は下の見取り図に示した順路だけである。(メイン礼拝所への入場は不可)
・マスジド内での飲食、喫煙は禁止。

マスジドネガラの東側についているのが正面入り口です。正面入口の手前左側にはトイレがあります。館内のトイレは、ウドゥー(清め)の水場ですので観光客は使用できません、トイレはここでおすませください。ただし、公衆有料トイレです。 階段を上がると2つの立て看板が立っています。
拡大してみると:下↓
 『旅行者に公開』『土足禁止』そしてご丁寧に中国語で「靴を脱いでね、ありがとう」とでも書いるのでしょう。近年は日本人を抜いて中国人観光客数が一番多いようです。
 そして訪問客の中には、土足で平気で上がって来る人、宗教施設を訪問しているという意識を感じられないマナーの悪い人も時々見かけられます。このマスジドはマレーシア政府が無料で開放してくれているので、そのつもりで感謝をもって観光してください。
上の時間帯が施設公開時間帯と閉鎖時間帯です。時間割をよく見てからマスジドネガラは訪問してください。特に金曜日は集団礼拝の日となりますので、時間帯は要注意です。
入口の看板に目を通しても、「上がっていいのですか?」「入場料はいくら?」「マントは着けなくれはいけないの?」など、入り口で戸惑っていることがあります。そういう時は、ガイドさんの適切な声かけと案内はうれしいものです。
「靴はここの下駄箱に脱いで、お入りください。」
ただし、いろいろな人種に対応するので、英語で「Take off your shoes, and please come in」などと言おう。。
写真のように丁寧にお話しすると観光客も嬉しくなる。
マントが用意されています。女性の美しい個所とされている髪と素肌をマントで覆わなければなりません。ご協力ください。
着せてあげればお客さんもうれしい。 団体客は、マントを付けたら次々と階段を上がり、見取り図の①に当たる上の写真の場所に待ってもらいます。写真に写ってる美しいモニュメントのようなものは実は募金箱です。
この観光客入口の上には一つの大きな時計と7つの小さな時計が並んでいます。
大きな時計は現在時間を示していますが、小さなものは左から順に、ズフル(昼の礼拝)、アスル(夕がたの礼拝)、マグリブ(日没後の礼拝)、イシャー(夜の礼拝)、スブフ(曙の礼拝)と以上5つの礼拝時間に加えて、イムサーク(断食する場合のスタート時前を示す曙前の時間)、シュルーク(日の出)の以上7つです。ただし、撮影時はこの7つの時計は操作されておらず、でたらめな時刻を表してました。

マスジドネガラ見取り図と見学順路 

マント着用などにより、2階に上がってくるのはバラバラになりますが、①の位置に集まってもらい、ガイドをスタートします。
私は当マスジドのボランティアガイド○○と申します。よろしくお願いします。
マスジドネガラのご訪問ありがとうございました。
マレーシアは、日本から見て最も近いイスラム国であります。そういう意味からしても、この国を訪問できたことはとても意義深いことですので、このマスジド・ネガラ国立モスク見学をご堪能ください。
 さて、イスラムは、日本流にまとめれば6信5行つまり6つの信仰と5つの行が大切とされています。その5行の第2番目は礼拝に立つことです。イスラムの礼拝は地球上のどこででもできますが、みんなが集まって礼拝をする方がよりよいとして、モスクというものがあります。
 またイスラムの礼拝施設モスクは、ただ単に礼拝をささげるだけの場ではなく、さらに集会の場、教育の場としての働きもあります。
 実は世界最古の大学もこうした教育の場としてのモスクからはじまったものなのです。なんという大学かわかりますか?西暦966年設立のエジプトのアル=アズハル大学です。 覚えておいてくださいね。
 さて、このマスジドは、1957年8月31日英国からの独立後、最初の国家プロジェクトのひとつとして計画され、1965年8月27日に開堂しました。当時は東南アジア最大のマスジドとして注目されましたが、その後、マレーシアだけでも、シャアラム市にあるブルー・モスク、同じクアラルンプル市にあるマスジド・ウィラーヤと次々と規模ではこのマスジドを上回るマスジドができました。また、プトラ・ジャヤのピンク・モスクのように美しさで凌ぐマスジドも登場してきました。しかし、国立モスクとして、また、歴代首相を埋葬している英雄廟を敷地内に有するマスジドとして、いまだにマレーシアを代表する権威あるマスジドです。

英雄廟は、ここを真っ直ぐに行ったところにあります。礼拝所見学終わって時間があれば寄ってみましょう。

最近はやりの言葉にパワースポットというのがありますが、実は、このマスジドネガラはクアラルンプルの代表的なパワースポットと言えます。ここにはたくさんの人が毎日礼拝にきており、その礼拝者と一緒に多数の天使が舞い降りてきています。この周辺のいたるところにたくさん天使がいます。これから見学する場所でその存在を感じることでしょう。しっかりとパワースポットのパワーを感じて下さい。さて、見学に出発しましょう。

さて、マスジドは一般的に3つの要素から成り立っています。
一つ目は、礼拝時間突入を呼びかける尖塔ミナレット。二つ目は、その呼びかけを聞いてマスジドにやってきて、清めを行う水場。そして3つ目は礼拝を行うスペースです。

②の位置に移動します。
ここにありますのがミナレットです。マスジドを遠くからご覧になった時、高くそびえていた尖塔が目に飛び込んできたでしょう。それがこにあるミナレットです。高さが73メートルあります。
 ミナレットとは元来、上に登って肉声で礼拝時間の到来を周辺住民に呼びかけていましたが、現在はスピーカーで呼びかけているところが多くなっています。ただし、毎回肉声で行うことは変わっておりません。


 クアラルンプルに滞在して何日目ですか?
この呼びかけを耳にしたことありますか?

もし、まだでしたら注意深く聞いてください。あと残りの滞在中に必ず聞きたいものです。1日5回呼びかけがあります。日の出前、昼、午後4時前、夕方、夜です。テレビでも夕方この呼びかけを放送していることがありますので注意しておいてください。


基本的に礼拝はどこででもできるものです。礼拝の呼びかけを聞いて仕事場で礼拝するもよし、マスジドに出かけて礼拝するもよしです。そして、マスジドに礼拝に来た人が、まず、礼拝の前に清める場所が、今入口の左手地下で見かけたと思いますが、地下の水場です。同じような水場は館内1階にもあります。水道がたくさん並んでいる場所です。これがマスジドの二つ目の要素清める場所です。

清めが済むと2階に上がってきて礼拝スペースと進みます。それが目の前にある三つ目の要素・礼拝スペースです。

礼拝スペースの屋根をご覧ください。通常、タージマハルのような玉ねぎ型のドームになっていることが多いのですが、このマスジドは傘を半開きにしたような斬新な形をしています。
傘骨の数は16本です。マレーシアの国旗はご存知ですか?イスラムの象徴である月と星が左上にあり、紅白の横ストライプ模様です。独立以前は星型11角形に11本のストライプでしたが、独立時には州の数に合わせて14角形14本となりました。
この数字と傘骨数がどういう関係があるのかは、諸説ありますが、単に4の倍数16が建てやすかったのかもしれません。
また、英雄廟も傘半開きになっており傘骨は7本です。これについては、コーラン消息章にある『7層の天』を表すものと思われます。
③へ移動します。
ここが第3の要素の礼拝スペースです。
ここで1日に5回の集団礼拝が行われています。ちょうど人間の1日の生活の節目節目に礼拝時間がやってきて、生活にメリハリができ、活力ある生活ができるようになります。1回の礼拝の所要時間は約5分~10分で、タバコ休憩とjほぼ同じです。ただ、ちょっと違うとすれば、タバコは精神的リフレッシュはできても、マイナス面を伴いますが、礼拝は、心身ともにリフレッシュが出来る上、計り知れないプラスがあります。
③から礼拝堂の内部を見ます。
さて、この礼拝スペースは2000㎡の広さがあり、合計8000名の人が一度に礼拝できます。1日5回の礼拝はここで行われていますが、普段は2,3列200名位でおこなっているようです。しかし、週1回の説教がある金曜日昼の礼拝は別で、この周辺のオフィスからたくさんの人が集まってきて、広い礼拝スペースが超満員になり、さらに、後ろのスペース、横のスペースも人で埋まり合計15,000人が一度に礼拝します。
入り口の地下や1階の清めの水場に、多数の水道が必要だったのは、一度にこれほど多数の礼拝者がくるからなのです。
 そして礼拝後一斉にマスジドから出てくる人の波を上から見れれば、それはそれは壮観な眺めです。もしも金曜日昼もクアラルンプルにいらっしゃれば是非とも見ていただきたいイスラム国の風物です。
   これが礼拝堂内部です。仏教寺院や神社にはご本尊とかご神体といった礼拝の対象となる偶像が祭られておりますね。ここには,ご覧のようにそういった偶像はまったくありません。正面の窪んだところはミフラーブといって、メッカの方角を表しているだけなのです。この礼拝堂は大きく立派なので、ミフラーブも豪華ですが、矢印を書いてるだけのところもあります。
 イスラムの人たちは偶像も無いのに何を拝んでいるのでしょうか?
 そうです。イスラムが拝んでいるのは、『アッラー』です。
(中には、アッラーとは、象の化け物と思っている人がいるかもしれませんが、それはヒンズー教と混同してます。)
 実はアッラーとは、アラビア語で『神』のことなのです。アラビア人のキリスト教徒は、自分たちの神をやはり『アッラー』と呼びます。英語にすれば『the God』なのです。
 つまり、イスラム教徒が拝んでいるのは、この世のすべてのものを創造し、運命をつかさどるスーパーパワーの神であって、その神に嘆願をし、感謝をし、許しをこうのです。その行為が礼拝であって、まさしく、神との直接の対話の姿なのです。
 
 礼拝スペースの後ろ側から撮影:金曜日はここも礼拝客でいっぱいになる。
ここで礼拝のやり方をちょっと観察してみてください。あまり凝視せずに何の気無しにこっそりと動作を追ってみてください。直立、立礼、土下座、正座の4つの動作を繰り返してますね。これが神を拝むムスリムの姿です。

偶像を崇拝しないイスラムでは、その芸術としては、アラビア語書道カリグラフィー、幾何学文様のアラベスク、タイルなどの分野が発達していきました。このマスジドでは、それらが随所に見られます。
 礼拝堂の壁をご覧ください。アラビア語カリグラフィーが一定の高さで書かれています。
(ちょうどメッカのカアバに掛けられたキスワのアラビア語カリグラフィーをイメージさせます。)
これは聖典クルアーンの章句の中から選んで書かれたものです。
では、ミフラーブの上に書かれているものを試しに読んでみましょう。アラビア語のクルアーン原典の一文です。アラビア語の響きを味わってください。
وَإِنَّ اللَّهَ رَبِّي وَرَبُّكُمْ فَاعْبُدُوهُ هَذَا صِرَاطٌ مُّسْتَقِيمٌ
マルヤム章19-36.
(『本当にアッラーは、わたしの主であり、またあなたがたの主であられる。だからかれに仕えなさい。これこそ正しい道である。』

「神は私の主であって、あなた方の主でもあります。だから祈りましょう。この道こそが正しい道なのですよ。この祈り方こそが正しい方法なのですよ。」と言っています。このマスジドに来る人たちへの神からのアドバイスのような章句を選んでいますね。
さて、こちらにイスラムのパンフレットが置いていますので、後で読んでみてください。日本語のものは、クアラルンプル在住の日本人イスラム教徒ママさんたちが訳したものです。
 お待たせしました。この場所でのカメラ撮影はOKですのでご自由に撮影して下さい。
時間があれば③の位置から⑤の位置へ移動し下を見ると、マスジド付属幼稚園と小学生用補習塾が見れます。
⑥の礼拝者入口の下に付属幼稚園と小学生用補習塾の入り口があります。
④のMaqam Pahlawan(英雄廟)に移動します。
この英雄廟には、マレーシアで特別功績のあった政治家、指導者たちが埋葬されており、ドーム内には4柱、ドーム外には11柱を数えています。
ドーム内の4柱は、
1、Tun Dr. Ismail 元副首相 1973
2、Tun Abdul Razak マレーシア第2代首相 1976
3、Tun Hussein Onn マレーシア第3代首相 1990
4、Tun Ghafar Baba 元副首相 2006で
首相経験者、副首相経験者です。

メイン礼拝堂を思い出してください。礼拝の方角はどちらでしたか?
今私たちはキブラに向かって立っていますね。イスラムのお墓は、遺体をキブラに向かって、頭が右、足が左になるように置き、手を組んで顔は右に向かせます。そうすれば遺体の顔はメッカの方角を向くようになりますね。世界のイスラム教徒はすべてそのように埋葬されています。
④のMaqam Pahlawanが終われば、ゆっくりと①の場所に戻ってきます。
階段をおり、受付場所に戻ってきます。
以上で館内のガイドは終わりますが、時間が許せば、敷地内を散歩したり、写真撮影するのもいいでしょう。

また、道を挟んで西隣にはイスラーム美術館があるので、そちを見学するのもお勧めです。

その他のマスジド・ヌガラの写真
東側からキブラの方角に向かった上には『マスジド・ネガラ』と大きく書かれている。本来ここがマスジドの正面となるようだ。 その1階入り口の扉には、アラビア文字をデザインとしたバックがブルーで金色の文字のアラベスク模様がある。下がその拡大したものだ。
文字は左から右の読む。書かれているのは『マスジド・ヌガラ・クアラ・ルンプル・マレーシア1385H』である。このマスジドが開堂したのは、西暦1965年8月27日金曜日であり、つまりヒジラ暦1385年ラビーウッサーニー月29日であったので1385Hなのであろう。
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