18/6/2010
マスジド大塚金曜日礼拝ホトバ 要約 (2010年6月18日)
――満遍なく挨拶すること等の4つの助言――

あらゆる称賛は、慈悲あまねく、慈悲深いアッラーのもの。預言者ムハムマド、教友たちと一家に祝福と平安がもたらされますように。

信者たちよ、本日の金曜日礼拝ホトバでは、預言者さま(祝福と平安を)から教友アブー・フライラ(平安を)への助言に係わる以下のハディースの内容について語りたい。「私が預言者さま(祝福と平安を)に、あなた様にお会いすることで精神力と喜びが高まりますと語り、森羅万象について教えて下さるようお願いしました。預言者さま(祝福と平安を)は,『森羅万象は水から創られました。』と述べられました。私は更に、楽園に入るのになすべき行いについて尋ねると、預言者さま(祝福と平安を)は、『食べ物を分け与えること、満遍なく挨拶をすること、人との係わりを深めること、人が寝静まった後深夜に礼拝を行うこと、それらを行えば楽園に入れるでしょう。』と言われました。」 
この助言に従うことに係わる恩恵については、次のハディースがある。「楽園には、中に入っている人々が外の人々を見ることが出来る、幾つかの部屋がある。それらの部屋は、食べ物を分け与える人々、満遍なく挨拶をする人々、人々が寝静まった深夜に礼拝をする人々の為のものである。」「最も慈善に富んだ崇拝行為として、食べ物を分け与えることと、満遍なく挨拶をすることによって、無事に楽園に入ることだろう。」
1.第1の助言:食べ物を分け与えること
信者たちよ、食べ物を分け与えることは、信仰行為に輝きを加え、善行を増やすものである。イスラームのより良い点に係わる質問について、預言者さま(祝福と平安を)は、上に掲げた最後のハディースによって、知っている人、知らない人に食べ物を分け与え、満遍なく挨拶をする事であると教えておられ、また、「食べ物を分け与えることによって、自分自身を高めなさい。」と教えておられる。喩え少しの食べ物であっても誰かに分け与えることは、アッラーのお悦びを得ようという正しい意図に基づいて行われるならば、アッラーの御目にとっては大きなことなのである。

信者たちよ、この国日本では、食べ物を分け与えるということが殆ど見られないので、それに反するようなこのイスラームの美点を必要とするのである。この国では食べ物を分け与えるのを殆ど見掛けないので、イスラームの美点を紹介しようというのである。イスラームが慈善と愛と心の豊かさに富んだ宗教であることを示す必要がある。日本の様な国で食べ物を分け与える事は、ダーワの扉を開ける大切な行為であり、あなた方の寄付を、その大切な行為行う人々に差し出すことで、来世の為の稼ぎを得ることが出来るのである。
 2.第2の助言:満遍なく挨拶すること
サラームと言う挨拶言葉は、アッラーの美名の一つからのものである。その挨拶を広めることは、イスラームとその信仰に係わる大きな特徴の評価を高めることとなるであろう。サラームと言う挨拶を広めることは、愛と親しみを増大させることとなる。預言者さま(祝福と平安を)は、次のように述べておられる。「信仰心を持たない限り、だれも楽園には入ることは出来ない。また、お互いが愛し合わない限り、信仰心を持つとは言えない。そうすることで互いに親愛感を育てる方法を、私はあなた方に教えなかったですか。それは、互いがアッサラーム・アライクムと言って挨拶を交わすことです。」 

日本においては、サラームと言う挨拶を、イスラームのシンボルとして植え付ける事が出来るであろう。我々はその為に努力しなければならない。先ずは、ムスリムに出会ったら、サラームと挨拶しなければならない。そして握手するなら更に良いことである。このことは我々の宗教に備わった美点であり、ムスリムに対して行う「あなたの上に平安を」という挨拶は、人と人との間に横たわる障壁が取り除く。その挨拶が安心で穏やかな空気を醸し出し心に響き、安心、穏やかさ、親密、慈愛の気持ちを強めてくれるのである。
 3.第3の助言:近親の関係を保つこと
多くの信者が日本に移り住み、親戚や近親を忘れてしまいがちであるが、しかしこのことは重大な事である。或る者には本国に年老いた母親がいて、お母さんから電話が無ければ、お母さんに電話をする事がない。或る者は、親戚関係が途絶え、電話をする事さえ無い。そして或る者は、日本滞在が長くなり、親戚との付き合いが途絶えている。親戚関係を保ち、親戚に良くしてあげる為に、出来る限り親戚を助け、出来る限り親戚の不幸を取り除いてあげなさい。親戚関係が途切れる事は、親戚に悪いことをする事であり、親戚にとって危害になることを言う事を意味する。要約すれば、関係を保つことは義務であり、関係を損なうことは、大きな悪事に相当するということである。
アッラーは、クルアーン・婦人章及びムハンマド章において次のように述べておられる。
「アッラーに仕えなさい。何ものをもアッラーに併置してはならない。父母に親切を尽くし、また近親や孤児、貧者や血縁のある隣人、血縁の無い隣人、道連れの仲間や旅行者、及び右手が所有する者に(親切であれ。)アッラーは高慢な者、うぬぼれる者を御好みになられない。」(4章 36節)
「お前たちがもし、御命令に背き去ったりして、地上に退廃をもたらし、また、血縁の断絶となるような事を期待するのか。」「これらの者たちは、アッラーが見限った者で、聾唖者にされ、その目は盲目にされる。」(47章 22--23節)
アイシャーさま(平安を)は述べている。「血縁者の絆(の権化)は、アルシュ(アッラーの玉座)にぶら下がってこう言っています。『私に血縁の絆を求めてくる者にはアッラーがそれを結び、また私に血縁の絆を断ち切ることを求めてくる者には、アッラーはそれを断ち切る。』」 あなたが血縁の絆を強くすれば、アッラーはきっとあなたを愛でられる。アッラーは物惜しみなく、あなたに必要な生計を御用意下される。
 4.第4の助言:深夜に礼拝を行うこと
預言者さま(祝福と平安を)は述べておられる。「義務の礼拝に次ぐ、最良の礼拝は深夜に行う礼拝である。」 アッラーは深夜に礼拝を行うことを習慣とする者を、クルアーンの15箇所で取り上げ褒めておられる。そしてその一つが、アッ・サジダ章のものである。
「その者の身体が臥所を離れると、畏れと希望を抱いて主に祈り、われが授けたものを施しとして差し出す。」(32章 16節)
アッラーの御前に侍る時とはどんなにか素晴らしいものであろうか。次のハディースが伝えられている。「ジャビールは伝えている。アッラーの御使い(祝福と平安を)は、『深夜には、ムスリムがアッラーに現世や来世の幸福を祈願すれば、主が必ず御聞きとどけくだされる時がある。それは毎夜である。』と言われた。」 

ムスリムたちの母であられるアイシャーさま(平安を)は、預言者ムハムマド(祝福と平安を)の行いについて、ご覧になったことを次のように述べている。「預言者さま(祝福と平安を)が、一夜私の寝床に来られ、私に少しく触れて、『主に礼拝する事としよう。』とおっしゃった。私が、『アッラーに誓って、あなたのお側に居たいです。主への礼拝もして欲しいです。』と言うと、預言者さま(祝福と平安を)は立ち上がると、ウドゥーの水のところへ行って、水を無駄遣いせずにウドゥーをなされ、立礼し礼拝をなされた。やがて顎髭が濡れる程に涙を流し、サジダすると床が涙で濡れる程に泣かれた。その後、ビラールが早朝の礼拝時間を知らせにくるまで、横になり泣いておられた。ビラールが預言者さま(祝福と平安を)に、『何故そんなに泣いておられるのですか。アッラーは、あなた様の全ての過ちを御赦しではないですか。』と言うと、預言者さま(祝福と平安を)は、『今夜、第4章イムラーン家章の190節【誠、天と地の創造、また昼と夜との交替の中には、思慮有る者への印がある。】が下されたところであり、悲しいかな、何が私の涙を止めることができましょうか。』とおっしゃられたのである。更に、『この章節を読誦する者は誰でも、それについて詮索してはならないのである。』と言われた。」

以上4つの助言と預言者さま(祝福と平安を)が示された道を身近にする者は、無事に楽園に入ることであろう。あなたは楽園に入りたいか。入りたいならば、これらの助言の実行を急ぐことです。

アッラーよ、私たちが正しい道を歩む事が出来るように御加護下さい。私たちの信仰心を強くして下さい。
アッラーよ、日本中に、世界中にイスラームを広められるように御力添え下さい。
アッラーよ、イスラームとムスリムたちの為に奉仕出来るように御加護と力を御与え下さい。
アッラーよ、病気の者たちを御治し下さい。仕事の無い者たちに清い仕事を御与え下さい。
アッラーよ、仕事に成功を、そして安心と安全を御与え下さい。アミィーン。


 
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