マスジド大塚金曜日礼拝ホトバ 要約 (2010年5月21日)
――あなたは何を望むか―

あらゆる称賛と感謝は、萬有の主アッラーのもの。預言者ムハムマドに祝福と平安がもたらされますように。
信者たちよ、「あなたは何を望むか」という質問に、今日のホトバで答えを出したい。この質問について考える前に、人は二つの集団に分けられる事を知らねばならない。最初の集団は、この世の生活だけの為にこの世で生き、もう一つの集団は、来世の為にこの世で生きている。この世の生活だけの為に生きている集団は、この世が全てであると思い、この世に生きている間に出来るだけ多く楽しみたいと望み、そして、長生きを望むのである。それには、終末の日を信じない不信仰者と、この世に大層興味が
あって、来世を忘れてしまっているムスリムが含まれているのである。

アッラーは、クルアーン・夜の旅章において次のように述べておられる。
「誰でも束の間(現世での物事)を望む者には、われは急ぎ彼の為に、われの望むものをわれが望む者に与える。それで彼らの為に地獄を準備する。彼はそこで焼かれ、恥辱を被り、(慈悲を)拒否されるであろう。」「しかし誰でも、来世を望み、それに向かい精を出し努力し信仰する者、これらの者の努力は受け入れられる。」「われは凡ての者に、これらの者にも、また彼らにも、お前たちの主の賜り物を広く授ける。お前たちの主の賜り物には限界が無いのである。」(17章 18--20節)

この世だけから得られるものを望む者には、全能のアッラーは、この世でのものを与えられ、そして、来世では火獄に入ることを約束なされる。即ち、アッラーは、上に掲げた章節で「…彼らの為に地獄を準備する。彼はそこで焼かれ、恥辱を被り、(慈悲を)拒否されるであろう。」と述べておられるのである。

そして、アッラーは、クルアーン・相談章において次のように述べておられる。
「来世の耕作を願う者には、われはその収穫を増し、また、現世の耕作を願う者には、その望むだけを与えよう。だがその者には、来世の分け前は無いのである。」(42章 20節)

来世を望み、その為審判の日に立派な報酬を得ようと努める信者には、全能のアッラーは、この世での報酬を拒むことなく、報酬を与えるとおっしゃる。
アッラーは、クルアーン・イムラーン家章において次のように述べておられる。「こうしてアッラーは、彼らに現世の報酬と、来世の善美の報酬を授ける。アッラーは善い行いをなす者を愛でられる」(3章 148節)

信者たちよ、この世に夢中な者たちは、速く手に入れようとし、そして、それを失いやしないかと常に心配する。礼拝をする者の中にも、そんな者たちはいる。そうした者たちには、痛烈な懲罰が来世に待ち受けているのである。そうした者たちには安心というものが無い。一方、来世を望む者は、この世で喜びを得、更に、来世でも喜びを得る。
楽園という天恵が、審判の日に待ち受けているのである。彼らは、喜び満足するのである。

信者たちよ、これらの章節から二つの集団が有り、それぞれの宿命が待ち受けていることを知るであろう。そこで、「あなたは何を望むか」という質問を投げかけるので、答えて頂きたい。天恵が離れていってしまうのを望むであろうか。天恵が永遠に有り、減ることがないのを望むであろうか。この世での幸福を望むであろうか。審判の日には拒否されてしまうそうした幸福を望であろうか。赦された範囲でこの世を楽しみ、来世には楽園で楽しむのを望むのであろうか。この世と来世とのどちらを望むのであろうか。

信者たちよ、今だけというのを止めて、終末の日の審判の時の自分について考えてみなさい。そして自分を正しなさい。来世へ向けての自分の旅に係わる自分の方法があるであろう。善い行いの船に乗船し、その船は荒れ狂う波のこの世の海を航海してゆくだろう。

アッラーは、クルアーン・夜の旅章において次のように述べておられる。
「(アッラーは仰せられよう。)『お前たちの記録を読みなさい。今日こそお前たち自身が、自分の精算者である。』)(17章 14節)

御使い(祝福と平安を)さまは、次の様に仰せられる。「おお、アブザールよ、海は深いのであるから慎重に航海しなさい。長い旅であるから十分な準備を整えなさい。多くの障害物があるから背後の明かりを備えなさい。監査を行う者は厳格な試験官であるから誠実な行いをなしなさい。」

アッラーは、我々の置かれた状況を御存知であられ、それで、終わりの無い良いものを選ばれたのである。アッラーは、クルアーン・至高者章において次のように述べておられる。
「いや、お前たちは現世の生活の方を好む。」「来世がもっと優れ、また更には、永遠なものであるのに。」(17章 16--17節)

この世の方を好む者に対し、アッラーは、クルアーン・引き離すもの章において次のように述べておられる。
「その時、酷く目に余った者、」「また、この世の生活を重んじていた者は、」「誠、火獄がその住まいである。」(79章 37--39節)

来世の方を好む者に対し、アッラーは、クルアーン・引き離すもの章において次のように述べておられる。
「だが、主の御前に立つことを恐れた者、また低劣な欲望に対し魂を抑制した者は、」「誠、楽園がその住まいであろう。」(79章 40--41節)

アッラーよ、私たちが正しい道を歩むめるように御加護下さい。私たちの信仰心を強くして下さい。
アッラーよ、日本中に、世界中にイスラームを広められるように御力添え下さい。
アッラーよ、イスラームとムスリムたちの為に奉仕出来るように御加護と力を御与え下さい。
アッラーよ、病気の者たちを御治し下さい。仕事の無い者たちに清い仕事を御与え下さい。
アッラーよ、仕事に成功を、そして安心と安全を御与え下さい。アミィーン。