マスジド大塚金曜日礼拝ホトバ 要約 (2010年5月7日)
――アッラーからの4つの賜り物――

 あらゆる称賛と感謝は、アッラーのもの。預言者ムハムマドに祝福と平安がもたらされますように。

 信者たちよ、預言者さま(祝福と平安を)は次のように述べておられる。
 「4つの賜り物があります。それらは皆に授けられており、それがあるが故に人は最良の現世での生活が出来て、また最良の来世が得られます。即ちそれは、アッラーの御名を唱える口、感謝する心、根気よく耐える身体、夫の裏切りや夫の金を求めない配偶者とである。」

 これらの4つの賜り物は、アッラーが人々に授けられる最良のものであり、金、名声、家畜や収穫、金銀財宝を求めるよりも、何にも優るものである。これらの4つを自らのものとする者は、現世と来世で最良のものを授けられる者である。

 第1番目の賜り物: 何時、如何なる状況でもアッラーの御名を唱える口が存在する事である。アッラーを思うことを忘れることなく、アッラーへの思いが枯れてしまうことの無い口である。他人が現世の生活や関心事に忙しくしている時、あなたはアッラーを思うことに忙しく、アッラーの御名を唱えるのに忙しいと言うことである。しかし実は、アッラーは、御名をただ唱えるだけでは満足なされない。
 アッラーは、クルアーン・部族連合章において次のように述べておられる。
 「お前たち信ずる者よ、アッラーを常に唱念しなさい。」「朝な夕なに、その御方の栄光を讃えなさい。」(33章 41--42節)
 次のハデイースに心を留めなさい。「教友の一人が預言者さま(祝福と平安を)に尋ねられた。『アッラーの御使い様(祝福と平安を)、イスラームで私に命じられていることが沢山ありますが、私が常々すべき第一の事とは何でしょうか。』 預言者さま(祝福と平安を)は、『アッラーへの思いで自分の口を潤し続けれことです。』」 従って、アッラーを唱える口と同様に、心もまた常にアッラーへの思いで潤うようにし
なさい。

 第2番目の賜り物: 感謝に満ちている心が存在する事である。アッラーの御名を唱える事と、アッラーへの感謝とが何時でも結びつけられていることである。
 アッラーは、クルアーン・雌牛章において次のように述べておられる。
 「だからわれを念じなさい。そうすればわれもお前たちについて考慮するであろう。われに感謝し、恩を忘れてはならない。」(2章 152節)
 次の預言者さま(祝福と平安を)のハディースがあるではないか。「アッラーよ、あなた様を念じ、あなた様に感謝し崇拝行為を行う事が出来る様に、私に御力添え下さい。」
この様に、アッラーに感謝することが求められており、アッラーへの感謝の第一は、現世で生きることの恩恵がアッラーからのものと感じることである。その事は、恩恵が創造主のなせる業からのものであり、あらゆる恩恵はアッラーからのものと、心で捕らえる事である。
 アッラーは、クルアーン・蜜蜂章において次のように述べておられる。
 「お前たちに与えられる如何なる恩恵もアッラーからのものである。…」(16章 53節)
 アッラーへの感謝が、我々に対するアッラーの恩恵を保ち、アッラーはさらなる恩恵をもたらされる。アッラーは、クルアーン・イブラーヒーム章において次のように述べておられる。「…『もしお前たちが感謝するならば、われは必ずお前たちに対し、(与えるものを)増やすであろう。だが、もし恩恵を忘れ去るならば、われの懲罰は本当に厳しいものである。』」(14章 7節)

 第3番目の賜り物: 困難に根気よく耐える肉体の存在である。アッラーのお陰と言う思いを忘れず、困難や損失に耐え、アッラーのお陰と思い空腹や喉の渇きに耐えなさい。それが忍耐と言うものである。人は現世でも来世でも忍耐無くしては成功を得られるものではない。自分が困難とか面倒とか思う事に耐えることなしに、自分が望むものを得られるものであろうか。預言者さま(祝福と平安を)の「忍耐は輝いている」という言葉は、我々の為に道を照らすものであり、従って、忍耐が無いなら生涯は大層暗いも
のであろうと言うことである。

第4番目の賜り物: 夫の不実や、夫に金を求めない配偶者の存在である。彼女は自分と夫の財産を守る事によって夫を守るのである。これが良い妻であり、アッラーが守るように教えられた秘密を守り、もしあなたが彼女を注視するならば、彼女はあなたに感謝し、命令に従い、あなたが彼女の元を離れている時はあなたへの忠実を守る。これこそ、アッラーからのこの上ない賜り物である。預言者さま(祝福と平安を)がハティジャ(平安を)と結婚した時には、預言者さま(祝福と平安を)は相手のお金や年齢を求めたのでは無く、彼女の女性としての面、善良さ、公正さ、人格、と言ったそうしたものを求めたのであり、彼女は預言者さま(祝福と平安を)より15歳年上で、結婚の経験者であり、子供がいたのである。預言者さま(祝福と平安を)は彼女の良い采配振りに惹かれたのである。かくして、夫が、預言者となられる前にも後にも彼女が夫を支えたことには何の不思議もなく、預言者さま(祝福と平安を)が最初に天使ジブリールに出会ったときには、彼女は預言者さま(祝福と平安を)を支え、次のように述べたと伝えられている。「アッラーに誓って、アッラーは、あなたを当惑させたり痛ませたりするのを御望みではありません。何故なれば、親戚との係わりに留意し、真実を語り、自立できない人々を助け、貧しい人々を保護し、客をもてなし、不正な目にあった人々を助けているではないですか。」

アッラーよ、嘘から我々を御守り下さい。我々が真実だけを述べるように御加護下さい。
アッラーよ、貴方様の御悦びの為だけに何事も出来る様に御加護下さい。
アッラーよ、全てのムスリムから困難を取り除き、仕事の無い者たちに清い仕事を与えて下さい。
アッラーよ、祈願をする皆の願いを叶えて下さい。病気の者たちを治してあげて下さい。
アッラーよ、貴方様の御言葉を日本全国、世界中の人々に広める我々に力を御与え下さい。アミィーン。