Emailイスラーム講座

Lesson4
慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において
 アッサラームアライクム。イスラミックセンターからのEmailイスラーム講座の第4回のレッスンをお届けいたします。
イスラームの信仰の第一の柱
至高なるアッラーを信じること

 至高なるアッラーを信じることはイスラームにおいて最も重要なことであり、イスラームの人間性の基礎です。それは基本的な人間の必要性であり、物や生計の必要性よりもより基本的な事項です。
 どの言語においても神そして時に女神に関して一つ以上の用語が使われています。しかしこれは神を意味するアッラーというアラビア語の単語には当てはまりません。この“アッラー”という単語は、宇宙全体を創造された神(唯一無二の真実の神)のための名前です。この単語は、唯一無二の真実の神以外の何者を称するのに使用することはできません。アッラーは、複数ではなく性別もありません。作られた複数の神または女神を意味する神という単語と比較した際、複数でもなく性別もないということは、アッラーの唯一無二性を示しています。
 アッラーという単語は、アラビア語を話す人々によって使用されており、アラブ人ムスリムそしてアラブ人キリスト教徒の両方で使用されています。“アッラー”が、イーサー (イエス)の言語でありアラビア語の姉妹言語であるアラム語の“神”の固有名詞であるという点はとても興味深いことです。アラビア語の“アッラー”という単語は、クルアーンのなかで2700回登場します。
 ムスリムたちは唯一無二の神である“アッラー”が完全なるお方であるということを信じています。彼は全ての人間、空、地上、太陽、月、星、そして山々などを創られました。彼は、私たちの創造者であり、主人であり、人々を正しい道に導かれるお方です。彼は、彼の僕であり人間である使徒と預言者ををお送りになりました。彼は父でも息子でもなく、いかなる種類の同伴者もいません。彼のみが創造者であり、宇宙を維持するお方です。彼は世界の完全なる管理を実行し、地上と天空を完全に制御していらっしゃいます。彼は誰の助けも必要としません。彼は常に存在され、永遠に存在されるお方です。彼の属性は完璧で、賞賛と栄光に値します。彼は、全ての限界と脆弱性から超越された方です。彼の知識は、ありとあらゆるものを包含しています。この宇宙全体は彼のご意思により誕生しました。彼は、実在し、全てを聴き、全てをご覧になられ、全てをお知りになります。彼のような者は存在しません。唯一なる彼こそが崇拝、崇敬の最高の表明に値します。病気を治すは彼であり、創造物への糧を定めるのも彼であり、災難から困難を取り除くのも彼なのです。アッラー以外の神を信じたり、献身からそれの前にお辞儀をしたり、ひれ伏したり、アッラーの権威だけにあるお引き立てのために彼以外のものに嘆願したりすることは、“シルク”即ち多神教と呼ばれます。シルクは、それを犯している者が心から悔悟を示さない限り許されない最も重大な罪なのです。
アッラーの権威とは、彼が何かを意図した際、彼がただ「在れ」と言うだけでそれは存在することになります。
至高なるアッラーは、聖クルアーンのなかで次のように仰られました。
 何かを望まれると、かれが「有れ。」と御命じになれば、即ち有る。(第36章ヤースィーン章 82節)

 アッラーは、いかなる特定の場所や方向にも住んでいらっしゃりません。何に関しても彼が意図して起こります。ですから彼の意志に反して何事も起こることはできません。彼は完全に独立したお方です。誰も彼に何かを命令したり、彼の行為のどんなことについても質問したりすることはできません。知識とは、彼の属性であり、彼の活動は叡智を反映し、最終的に善に導くものです。
完全なるアッラーについての理解への助けとなるであろう聖クルアーンのいくつかの章をここに言及します。
至高なるアッラーは聖クルアーンのなかで次のように仰られました。
言え、「かれはアッラー、唯一なる御方であられる
アッラーは、自存され、
御産みなさらないし、御産れになられたのではない、
かれに比べ得る、何ものもない
(第112章 純正章(アル・イフラース)1節から4節)

عَنْ عَائِشَةَ أَنَّ النَّبِيَّ صَلَّى اللَّهُ عَلَيْهِ وَسَلَّمَ بَعَثَ رَجُلًا عَلَى سَرِيَّةٍ وَكَانَ يَقْرَأُ لِأَصْحَابِهِ فِي صَلَاتِهِمْ فَيَخْتِمُ بِقُلْ هُوَ اللَّهُ أَحَدٌ فَلَمَّا رَجَعُوا ذَكَرُوا ذَلِكَ لِلنَّبِيِّ صَلَّى اللَّهُ عَلَيْهِ وَسَلَّمَ فَقَالَ سَلُوهُ لِأَيِّ شَيْءٍ يَصْنَعُ ذَلِكَ فَسَأَلُوهُ فَقَالَ لِأَنَّهَا صِفَةُ الرَّحْمَنِ وَأَنَا أُحِبُّ أَنْ أَقْرَأَ بِهَا فَقَالَ النَّبِيُّ صَلَّى اللَّهُ عَلَيْهِ وَسَلَّمَ: أَخْبِرُوهُ أَنَّ اللَّهَ يُحِبُّهُ" (صحيح البخاري: 6827)

アーイシャ様(アッラーのご満悦あれ)によると、預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)は、礼拝のためにある男を礼拝の指導者として、人々のもとに送った。それからその男は毎回クルアーンの読誦を、「言え、かれはアッラー、唯一なる御方であられる」で終えた。人々はアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)のもとに戻った際、このことを言及した。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は、「何故そのようにするのか彼に尋ねなさい」と言った。そして彼らは礼拝を指導していた男にそのことを尋ねると、彼は「それ(純正章)は慈悲深いお方の属性であり、私はこれを(礼拝時に)詠むのが好きなのです。」それから預言者様(アッラー祝福と平安あれ)は、言われました。「私はアッラーが彼を愛してくださっていることを彼に告げよう。」(サヒーフ・アル=ブハーリー6827)
(イスラームの信仰の第一の柱は、次回に続きます)

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