六、ザカートに関する各種の規定


ザカート支給者(提供者)の法定扶養家族は、ザカートを受けることができません。 受給者に必要額以上の金を与えてはならないし、したがって受給者は必要条件以上のものを受けとってはなりません。政府へ支払った税金はザカートには含まれません。


ザカートの支給者(提供者)は、この務めを実行することによって、慢りの気持ちを 持ったり、売名したりしてはいけませんが、もし名前を出すことによって、他の人のザカート供与の気持ちを刺激するようだったら、名前を公表することも許されます。


受給者に、その人がザカートの金を受けていることを告げる必要はありません。援助 を受ける資格のある人がザカートの金は受けたくないと言うときには、その金の出所を特に発表しないで与えてもかまいません。しかし提供者としてはやはりザカートと して金を支払うことになります。


ザカートの金は、前記の個人や団体に直接に渡されます。提供者は、その相手が本当 に援助を必要としているかどうかを、出来るだけ明確に判断しなくてはなりません。正式に設立されたイスラーム政府がある時は、ザカートは公的機関を通して集められ 、その分配は政府の特別部門の仕事となっています。しかし非イスラーム国家においてザカートを施すことは、成年者の信者のすべてが毎年自分で責任をもって遂行する のを義務とされています。


日本でザカートを与える場合は、個人が自らの判断で相手を選んだり、他のムスリム からの紹介によるか、また、もし責任をもって配分しようというムスリム団体があって、それを提供者が信頼すれば、任せてもよいのです。


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