サラート・礼拝
イスラミックセンター編
礼拝・補足説明
- その他の特殊な礼拝
ジャナーザ(葬儀)の礼拝
- 死後の魂の復活を信ずるイスラームでは、死体には沐浴を施し、それを白布に包み、
顔をキブラ(メッカの方角)に向けて埋葬します。
- 葬儀は普通、キブラの方角に位置した棺の前にイマームが立ち、会葬者はその後に並
びます。
- ふだんの礼拝と同じようにウドゥーをすませ、イマームの先導により礼拝に入ります
。ジャナーザの礼拝には立礼や座礼はなく、人々は直立の姿勢で祈りを捧げるのです。
- @まずニーヤ(意志表明)を行います。
- 「私は葬礼のタクビールをアッラーに捧げます、アッラーを讃美し奉り、み使いに対
する恩恵を祈り、また故人に対するお許しを祈願いたします。私は顔をキブラに向けます。」
- Aそれからタクビールをして、両手を耳まで上げてへその高さで組み、次の様に唱え
ます。
- スブハーナカッ=ラーフンマ ワビハムディカ ワタバーラカ=スムカ ワタアーラ
ー ジャットゥカ ワラー イラーハ ガイルカ
- <意味>
- おおアッラー、あなたを讃美し敬いたてまつる。祝福はあなたのみ名であり、あなた
は高貴のきわみであられます。あなたの他に礼拝に価いするものはありません。
- B次いで、イマームの二回目のタクビール(手は、耳のところまで挙げません一以下
回じ)の後、「礼拝の捧げ方」の項のNの言葉を唱えます。
- Cそれから三回目のイマームのタクビールに続いて、死者が成人の場合は次のような
ドゥアーを捧げます。
- (イ)アッラーフンマ=グフィル リー ハイナー ワマイイティナー ワシャーヒ
ディナー ワガーイビナー ワサギーリナ ワカビーリナー ワザカリナー ワウンサーナ
- (ロ)アッラーフンマ マン アフヤイタフ ミンナー ファイワイヒ アラ=ル=
イスラーム ワマン タワッファイタフ ミンナー ファタワッファーフ アラ=ル=イーマーン
- <意味>
- (イ)おおアッラーよ、許したまえ。私達の生けるもの、私達の死んだもの、ここに
いる者またいない者、老いも若きも、女も男も。
- (ロ)おおアッラーよ。あなたが生を授けられた者がイスラームにのっとって生き、
あなたが死を与えられた者が信仰を抱いたまま死ぬよう御配慮下さいますよう。
- Dそれから四番目のタクビールの声に、一同右側を向いてアッサラーム・アライクム
・ワラフマトッ=ラーを唱え、次に左側を向いて同じ様に唱え・葬礼は終ります。なお、イスラームでは火葬が禁じられており、ムスリムの死体はそのまますみやかに
墓に埋葬されるべきなのです。
- イード=ル=フィトル(断食あけ)の礼拝
- ラマダーンの終った日の次の日が、イード=ル=フィトルで、30日間に亘る長い斎戒
を完全に果せたことをアッラーに感謝し、全世界のムスリムが祝うイスラームの大きな祝日です。
- この日、定められた時刻に、ムスリムたちはもよりの礼拝堂か、または広い場所に集
まり、整列します。そしてイマームの指導のもとに、(イ)ニーヤをし、(ロ)タクビール(アッラーフ アクバル)を唱え、それからキヤームの姿勢で従います。次にイ
マームは、(ハ)3度タクビールを唱えます。この際、各自最初のタクビールでは両手を耳のところまで上げてからへその高さまで降して組み、「礼拝の捧げ方」のCに
ある「スブハーナカッ=ラーフンマ…」を唱えます。2回目、3回目のタクビールの時は手をへその高さに組まず、脚の両側に自然に垂れます。そして、(ニ)4番目のタ
クビールの時、手を再びへその高さで重ねます。それからイマームがファーティハ(開端章)を、次いで他の章節を朗誦し、いつものようにルクーウとサジダをして第1のラカートを終ります。
- 第2のラカートは、第1ラカートの時と違い、イマームがファーティハと他の章節を唱
えた後に、タクビールを3回唱え、それに従って各自両手を耳のところまで上げ、そのつど体の両側に垂れます。そして4番目のタクビールの時、今度は手を耳まで上げ
ず、すぐにルクーウに移ります。あとはいつもの礼拝と同様、アッサラーム・アライクムと唱えて礼拝を終ります。
- ジュムアの礼拝の時とは違って、この場合は礼拝が終ってからイマームがミンバル(
説教壇)に上り、2つのフトバ(説教)を述べて散会します。
- この日、すべてのムスリムは、新調した衣服か、所持しているものの中で最上の衣服
を身につけるのが慣わしで、途中で会う知人に対し、それぞれの国の習慣に従って、握手、抱擁、キスをして挨拶をかわし、また知人の家庭を訪問して喜びを伝え、イスラームで許される範囲内の方法で、祝いと歓楽に時を過ごすのです。
- タラウィーの礼拝
- タラウィーの礼拝は、ラマダーン月の斎戒中に毎晩イシャーウの礼拝後20ラカート棒
げるものです。
- クルアーンの一巻を短かく分けて20ラカートのうちに読唱し、2ラカートごとにサラ
ームを唱えて一段節とします。そして、ラマダーンの30日間にクルアーンの全30巻を読唱して、タラウィーの礼拝が終了するのです。
- 特別の事情における礼拝
- @病床にある場合
- 病状の許す限り床に座って礼拝し、それができない場合は、寝たままで礼拝してよい
ことになっています。座って礼拝する時の立礼の動作は、額を床につけぬことによって座礼と区別します。また寝たままで礼拝する時は、単に心の中で、起立(キヤーム
)、立礼(ルクーウ)、叩頭(サジダ)などを念じて、各々に関係する文句を唱えるだけでよいのです。
- A旅行中の場合
- 自分の家から80キロ以上離れた所に旅した場合(注:法学派により旅行の定義が違います)は、4ラカートの義務の礼拝は、すべ
て2ラカートになります。但し3ラカートの義務の礼拝はそのままです。またスンナの礼拝はしなくてもよいことになっています。目的地に着いてからも、その地に15日以上滞在する意志がない時は、2ラカートの礼拝でよいとされています。
- B正規の礼拝が不可能な場合
- 身に危険が追っている時、満員の乗物の中等、避けることのできない情況にあって、
事実上きまった礼拝を捧げることが不可能の場合は、立ったままか座ったままで2ラカートの礼拝を捧げることによって、義務の礼拝に代えることができます。
- C礼拝に遅刻した場合
- 集礼または義務の礼拝に遅刻した時は、ただちに列の端に参列してそのまま皆と同じ
礼拝を捧げます。そして皆がサラームをする段になったら、遅刻した者はサラームをせずに立ち上がり、遅刻したために捧げることができなかった分だけの礼拝を補い
、いつものように礼拝を終ります。
- ここで「遅刻」という意味は、あるラカートのルクーウ(立礼)に問に合わなかった
ということで、ルクーウ以前に礼拝に参加した場合は、そのラカートを補う必要はないのです。
- D礼拝中に誤りを犯した場合
- 礼拝を捧げている間に何か誤りを犯した時は、そのまま最後まで礼拝を続け、タシャ
ッフドの後、右に顔を向けて一度サラームし、すぐに2回サジダをすれば、許しを願ったことになります。その上で、いつものようにタシャッフド、右左のサラームをし
て礼拝を終ります。
- ただし、次のような行為があった時は、もう一度礼拝をやり直さなけれぱなりません。
- (イ)礼拝中に話したり、礼拝の動作とは関係のない行動をとった場合。
- (ロ)歩いたり、飲食したりした場合。
- (ハ)顔がキブラの方角からそれた時(乗物の中は例外)。
- (ニ)大声を上げて笑った場合。
- 礼拝上の諸注意
- @礼拝を捧げてはならない時刻。
- (イ)太陽が地平線にかかった時、真上にある時、及び没する時。また、ナフル(随
意)の礼拝は、次のような時には捧げることが出来ません。
- (ロ)ファジュルの礼拝と日の出の間、またアスルの礼拝とマグリブの礼拝の間。
- (ハ)マスジドで、イカーマが唱えられてから集礼までの間。
- (ニ)金曜日の集礼におけるフトバ(説教)の最中、及びフトバを終ってイマームが
集礼の指導に移るまでの間。ただし、フトバの前に礼拝に立っていた場合は、中止することなくそのままそれを完了します。
- (ホ)イード=ル=フィトル(断食あけ)の日におけるファジュルの礼拝とイードの
礼拝の間、及びその後でも現にイードの礼拝が行なわれている場所。
- (ヘ)マスジドでの集礼を始める時が迫っていて、もはや時間に余裕がない時。
- Aどんな場合でも、礼拝中の人の前を横切ることは、他の人の礼拝を損うことになり
、罪を犯すことになるので厳禁されています。もしその必要がある時は、まっすぐ自分の後ろに向って最後尾までさがり、それから目的の場所へ行きます。しかし、礼拝
はなるべく前方の・人が横切る必要のない所で捧げるのが望ましいのです。
- B夫婦以外は男女が一緒に並んで礼拝を捧げることはできません。また、女性は生理
期間中は礼拝をしないことになっています。
- C日々の礼拝は、なるべく集団で捧げるのがよいとされています。この際、礼拝する
者が二人しかいない時は、一人がイマームとして立ち、もう一人は彼のすぐ右側に足一つ分後方にさがって立ちます。三人以上いる時は、イマーム以外の人は皆その後方
に横一列に並ぶのです。女性は男性の後方に横一列に並んで礼拝を捧げます。
- Dナフル(随意)の礼拝
- (イ)タハジユードの礼拝は深夜から黎明にかけて捧げるナフルの礼拝で、4ラカー
トないし12ラカート棒げることが特に推奨されています。預言者ムハンマドも数時間にわたり、常にこの礼拝を行われたもので、そのために彼の足はむくんでいたと伝え
られています。
- 万物が寝静まっている深夜、ひとり起きてアッラーの前にひれ伏ことによって、他で
は到底味わえぬものを体得することができます。ただし、これは義務の礼拝ではありません。
- (ロ)タヒヤト=ル=マスジドの礼拝は、マスジドに入った時に捧げるもので、通常
2ラカート捧げます。
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