ハッジ 巡礼

イスラミックセンター編著


(六)小巡礼と大巡礼


1. オムラ(小巡礼)



 すべてのイスラーム信者が、随時メッカを訪れて、オムラ(小巡礼)を行うことは良 い事とされています。指定された日に行う巡礼と同様に、オムラの場合も、巡礼用の衣服であるイヒラームを身につけ、タワーフ(カーバ神殿の回巡)とサーイ(サファと マルワの丘の間の駆け足往復)を遂行するのです。そして、サーイが終わった後、自分の衣服に着替えます。



 オムラはそれだけで一つの儀式であって、これをもって大巡礼(ハッジ)の代りとみなすことはできません。




2. ハッジ(大巡礼)



 巡礼の儀式は、ズルヒッジャ(イスラーム暦の十二月)の八、九、十の三日間にわたって行われ、この前にイヒラムに着替え、タワーフとサーイをすませ、アラファト丘 とムズダリファ、ミナの二つの谷へ行き、イードゥルアドハの犠牲祭を行ってすべて の儀式を終えるのです。



 スンナ(預言者ムハンマドの慣行)によると、ハッジ(大巡礼)にはオムラ(小巡礼 )をも含めて、オムラをも含めたものとして扱われています。




3. ハッジとオムラの組み合わせ方



 ハッジ(大巡礼)とオムラ(小巡礼)のやり方には、その組み合わせによってタマッ トゥ、イクラーン、イフラードの三種類があります。



 ムスリムは、もし望むならば、シャワール(イスラーム暦の十月)の出来るだけ早い 日にメッカに到着し、イヒラム(巡礼服)を身に着けてオムラを果たし、引き続いて 十二月の始めに行われるハッジに参加するまで待ちます。その時いったんイヒラムを 脱いで期待するケースをタマットゥといい、この場合は、羊、山羊、駱駝のどのいず れかを犠牲にささげます。



 イヒラムを脱がないで、オムラに引き続いてハッジに参加するケースをイクラーンと いいます。



 イフラードは、先にハッジを終え、その後にオムラを行う場合のことです。



 なおイスラーム暦は陰暦ですから、この巡礼の月は太陽暦にあてはめると、一定の季 節だけにめぐってくるのではなく、毎年違った季節にまわってくることになります。





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