ハッジ 巡礼

イスラミックセンター編著


(五)ムスリムの義務としての巡礼


 メッカの巡礼は、イスラームの第五の柱であり、ムスリムにとって、男女を問わず生存中には必ず一回遂行しなくてはならない義務(ファルド)であります。



 巡礼をするためには、次の条件がそなわっていなくてはなりません。すなわち、巡礼を思い立った時点において、心身ともに健全で他人からの負債がなく、自分の往復の旅費と留守中の家族の生活費を自弁するに足る財力を持っていることです。



 メッカへの往復の途中で、自分の生命と財産に危険がまったくないことも条件になっています。クルアーン第三章、第九十七節には次のように述べてあります。「またこの家(カーバ神殿)への巡礼は、そこにおもむき得る人々に課せられた、アッラーへの義務である」



 イスラームに帰依する者は、もしその生存中に巡礼の義務を果たせなかったときには 、その者の臨終のときの希望によって、家族や知人のだれかが死者に代って、巡礼を行うことができます。



 この依頼を受けた人が病気や何か他の都合で巡礼できないときは、さらに次の人がこれを代行することもできます。依頼を受けた代理人が巡礼するときには、まず第一に自分の巡礼の義務を果たし、そしてさらに依頼者のための巡礼の儀式を行うことにな っています。






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