ハッジ 巡礼

イスラミックセンター編著


(一)巡礼の意義


 アラビア語でハッジとは「ある明確な目的のために出発する」という意味ですが 、イスラームでいうハッジとはサウジアラビアのメッカにあるカーバ神殿に巡礼し、定められた日に一定の儀式(マナシィク)を果すことを言うのです。



 巡礼の儀式は、クルアーン(第二章 一九六〜二〇三節、第五章 九五〜九八節、 第二二章 二七〜三二節)とスンナ(預言者ムハンマド−かれの上に平安あれ−の言行録)に従って行われ、同時に預言者アブラハム(イブラヒム)とその妻ハガール( ハジャル)およびその息子、イスマエル(イスマイル)を記念して、かれらが生存中に行ったと同じ行事をいくつか行ないます。



 それらの多くの儀式や行事とその重要性については後の章で詳しく述べますが、ここ では巡礼の重要な目的が、イスラームの他のどの儀式にも増してアッラーへの帰依の心と、精神的な喜びを培うものであることを特に強調しなくてはなりません。



 預言者ムハンマドは次のように言っています。



 「ハッジ(大巡礼)とオムラ(小巡礼)を行う者は、アッラーのもとに参集するため に、メッカへ来る者たちである。(すなわち、巡礼者はアッラーを崇めたてまつるためにメッカに来るのである。)もし巡礼者たちが、この時アッラーに何か祈願すれば 、アッラーは必ずそれにお答えになり、また罪の許しを乞い願うならば、アッラーは必ずその罪を許したまう。」






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