イスラームの祭日と儀式

イスラミックセンター編著


一、イスラーム暦


イスラーム暦は、聖預言者ムハンマド(かれの上に平安あれ)の、メッカからマディ ーナへのヒジュラ(聖遷)の年をその紀元元年としている。預言者のマディーナへの脱出は、イスラーム暦ラビーウルアウワル(三月)の八日であった。このイスラーム 暦の設定は、ヒジュラから十六年たったとき、アリーの進言によって第二代カリフ ウマルの時に採用された。ヒジュラの日は、実際にはラビウールアウワルの八日であ ったが、一般にはイスラーム暦ムハッラム(一月)一日をイスラーム教徒は元日として祝っている。
イスラーム暦は、地球をまわる月の軌道の周期をもとにしている。このような陰暦の 場合一ケ月は、新月の日から次の新月までで、その月によっては太陽暦とは一日半の違いがあり(月の周期の平均は、二十九日と十二時間四十四分)月の運行をもとにし た一ケ月は二十九日と三十日からなっている。したがって、同じ月でも、例えば断食の月ラマダーン(九月)は、年によって二十九日か三十日である。一年は十ニケ月で あるから、陰暦の一年の総日数は、年によって三五三日、三五四日または三五五日である。陰暦の日付は太陽暦とは少しずつずれていき、約三十二年毎に元に戻るように なっている。イスラーム暦の十ニケ月は次のとおりである。
第一月  ムハッラム
第二月  サファル
第三月  ラビーウル=アウワル
第四月  ラビーウッ=サーニー
第五月  ジュマーダル=アウワル
第六月  ジュマーダッ=サーニー
第七月  ラジャブ
第八月  シャアバーン
第九月  ラマダーン
第十月  シヤウワール
第十一月 ズル=カイダ
第十二月 ズル=ヒッジャ
一日の変わりめは、夜中の十二時ではなく、夕方の日没時とされている。したがって 、たとえばラジャブ(第七月)二十七日の夜は、実は二十六日の日没から二十七日の夜明けまでということになる。


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