イスラームの生き方

イスラミックセンター編著


二、道徳の意義
7. 行政上の諸問題


行政官と裁判官は、きわめて大きい責任を担っています。もしかれらが、アッラーに対する義務を自覚せぬなら、圧力団体や自己の利益、あるいは偏見や好みに影響されて正義から離脱することも可能でしょう。



多少なりとも責任を持つ人間すべてに対して(それが一家のあるじであろうと一国の王であろうと)、正しく公正であれとアッラーは強く命じています。そのことは人間のアッラーに対する義務であり、国家利益の追求もこの務めを妨げてはならないのです。



信仰する者よ


アッラーのため公正な証人として堅固に立つべし


憎む者を扱うときも、不正に流れ、正義を離れてはならぬ


公正であれ、それは最も篤信に近い


そしてアッラーをおそれよ


アッラーはなんじらの行なうことを熟知したもう。


(聖クルアーン第五章八節)



信仰する者よ


証言において、アッラーのため公正であれ


たとえ自分自身の、そして両親や家族の、利益に逆らってでも


あるいは富者に対しても、貧者に対しても、


常に公正であれ


アッラーは双方になんじらより近い、


それゆえ私欲に従って公正からそれてはならぬ


なんじらが正義をねじまげるなら


アッラーはなんじらの行ないを熟知したもう。


(聖クルアーン第四章一三五節)



国民の福祉に関して統治者と政府の義務は、アッラーの富法に従い、正しく公正であることです。また国民としても、この大津法に違反する命令でないかぎり、統治者や政府に従う義務があるのです。統治者や政府は国民の見解と要求をたしかめるため、国民またはその代表と相談しなければなりません。



互いに協議する者たち……。


(聖クルアーン第四章三八節)



信仰する者よ


アッラーに従い、み使いに従え。


そしてなんじらのうち、権能を与えられた者に従うべし……。


(聖クルアーン第四章五九節)



預言者は次のように言っています。



「好むや否やにかかわらず命令に従うのは、ムスリムの務めである。ただし、その命令がアッラーの道にそむくときは別であり、従ってはならぬ。」




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